出生前診断について詳しく解説

赤ちゃんが誕生する瞬間の感動を味わえる点が産婦人科に勤務する看護師の醍醐味でもありますが、その一方で妊婦さんに対する出生前診断にも携わることが多いです。そして一口に出生前診断といってもその検査方法は多岐に渡るため、それぞれの検査がどんな内容なのかを看護師は正確に理解しておかなければなりません。出生前診断には大きく分けて、血液検査、超音波検査、羊水検査の3種類があります。そして血液検査はさらに、トリプルマーカー、クワトロテスト、NIPTの3つに分かれるのです。NIPTは比較的新しい遺伝学的検査のため、すべての産婦人科で診断できるものではありません。ちなみにNIPTの検査費用の相場は約20万円です。妊婦さんへの身体的な負担は少ないですが、診断結果の的中率が100パーセントではないという難点があります。超音波検査はソフトマーカーとも呼ばれ、エコーを使って胎児の奇形や心臓の逆流などを調べていきます。この検査でnuchal translucencyの頭文字をとったNTという項目に異常が見つかると、ダウン症になる確率はかなり高いです。羊水検査は妊婦さんの腹部に注射をし、採取した羊水を分析する手法です。最も確実性のある診断方法とされていますが、この検査には流産のリスクも伴います。羊水検査で流産に至る確率は、約1000分の1です。出生前診断は妊婦さんに義務付けられているものではありませんが、産婦人科の看護師はこのような診断があることを妊婦さんに必ず伝えるようにしています。そして妊婦さんが検査を受ける意思を少しでも示したら、この多岐に渡るすべての検査方法のメリットとデメリットをわかりやすく説明しなければならないのです。